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ピロリ菌の検査・除菌治療

ピロリ菌外来

当院では、ピロリ菌感染検査及び除菌治療を専門に行うピロリ菌外来を行っております。ピロリ菌感染を確認するには、胃カメラ検査が不可欠です。胃カメラ検査を行い、ピロリ菌感染が認められた場合には、1次除菌治療を行います。もし1次除菌治療に失敗しても2次除菌治療までは保険が適応されます。当院では、日本ヘリコバクター学会認定医が除菌治療を行っております。2次除菌治療まで失敗した場合や、ペニシリンアレルギーの方など他院では治療が難しいと言われた方も、当院では3次除菌治療、4次除菌治療やペニシリンを使用しない除菌治療を実施しております。ピロリ菌感染検査・除菌治療をご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

ピロリ菌に感染すると
何が起きるのでしょうか?

ピロリ菌に感染すると、胃痛や胃潰瘍が起こります。ピロリ菌が胃粘膜に感染すると、CagAという因子が胃の粘膜細胞内に注入されます。ここからIL8というインターロイキンが炎症細胞を呼ぶため、胃粘膜細胞が炎症を起こします。さらに進行すると、腸上皮化生を起こして胃がんになってしまいます。ピロリ菌に感染していても自覚症状はほとんどありません。このため、気が付かないうちに胃の炎症が進行して胃がんにまで及ぶケースが少なくありません。このため、ピロリ菌感染の有無を確認することは将来の胃がんを予防する上でも非常に重要です。

ピロリ菌の感染経路

幼少期に整備されていない井戸水や家族などから感染すると言われているため、大人になってから感染することはあまりないとされています。昨今では、上下水道が整備され、親世代の感染者が少なくなっていること、ピロリ菌除菌治療が普及していることから、ピロリ菌感染率は下がってきています。しかし、40歳以上の方にはピロリ菌感染者も多いです。

ピロリ菌感染の症状

  • 胃の不快感
  • 胃もたれ
  • 空腹時の胃痛
  • 食後の腹痛
  • 食欲不振

など

ただし、ピロリ菌に感染していても自覚症状がない場合も多くあります。また、強い腹痛と黒色便が見られる場合は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の可能性があるため、速やかに受診してください。

ピロリ菌によって起きる病気

  • 萎縮性胃炎(慢性胃炎)
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃ポリープ
  • 胃がん
  • 胃MALTリンパ腫
  • 機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)
  • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

など

ピロリ菌の除菌治療によって、胃炎が進行するのを抑えられるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの発症を予防できます。

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ヘリコバクター・
ピロリ菌検査

ピロリ菌検査には、胃カメラ検査と血液を採取して行うスクリーニング検査があります。胃カメラ検査では確定診断が可能です。なお、ピロリ菌除菌治療を保険適応で受ける場合には、胃カメラ検査での確定診断が必須です。胃カメラ検査を実施すればピロリ菌の感染の有無を確認できますが、必ずしも見た目では診断できないため、ウレアーゼテストや尿素呼気テストなども加えて行うことがあります。当院では、胃カメラ検査の際にウレアーゼテストを行い、その場でピロリ菌の有無を判定することができます。検査と除菌治療を同日に開始することができるため、患者様のご負担を軽減できます。

内視鏡検査

内視鏡検査時に採取した組織をその場で試薬につけて判定するウレアーゼテストや病理検査に提出し染色をして顕微鏡で確認する鏡検法(HE染色、ギムザ染色)、組織を培地に入れてピロリ菌の増殖の有無を確認する培養法があります。

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スクリーニング検査

血液や尿を採取して抗体を測定する抗体法と便を採取して抗原を測定する抗原法があります。胃炎の確定診断には、別途、内視鏡検査が必要となります。

除菌治療の流れ

1除菌薬の内服

抗生剤2種類と胃酸分泌抑制薬1種類を朝夕の2回に分けて、1週間程内服します。喫煙習慣がある方には、除菌中の禁煙をお勧めしております。

2服用してから
1カ月以降に検査

便中のピロリ抗原、または尿素呼気テストによる除菌成功の有無を判定します。除菌成功が確認されたら、除菌治療はこれで終了です。

3除菌治療に失敗した場合は、
2回目の除菌治療

1回目の除菌治療に失敗した場合には、保険適用で2回目の除菌が可能です。1回目の抗生剤クラリスをメトロニダゾール(フラジール)に変えて治療をします。2次除菌治療中はフラジールとアルコールの相性が合わないため、アルコールの摂取は厳禁です。2回目の除菌治療も失敗した場合には、3次除菌を行います。3次除菌は自費治療となります。

ペニシリンアレルギーの方の
除菌・3次除菌・4次除菌

ペニシリンアレルギーのある方や、2回目、3回目の除菌治療に失敗した方は、他院で除菌治療を断られることがあります。当院のピロリ菌専門外来では、上記の方も除菌治療が可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

除菌治療で起こる
可能性がある副作用

抗生剤の内服や、胃酸分泌抑制薬の内服によって、逆流性食道炎などの症状が起こることがあります。また、味覚障害や口内炎、不整脈などの症状が現れることがありますが、内服が終了すれば快癒します。ただし、除菌治療中に息苦しさや喘息、蕁麻疹、血便などの症状が現れた場合には、速やかに服薬を中断して受診してください。